大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

最高裁判所第二小法廷 昭和37(オ)1439 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人荒木鼎の上告理由第一点について。

所論は、原審は偽証した証人の証言を採用した結果事実認定を誤つたものであると

いうが、右は原審の専権に属する証拠の取捨判断、事実認定の非難に帰するから採

用できない。また所論は、本件賃貸借については当初から期間三〇年の合意があつ

たものであり、仮に原審認定のように昭和三〇年八月の経過を以て本件賃貸借の期

間が満了するものであつたとしても、上告人の前主訴外Dから昭和二九年中に更新

拒絶の申入れをしているのであるから、本件賃貸借はもはや存続しないことが明ら

かであり、従つて原審には本件賃貸借の終了時期に関する判断を誤つた違法がある

というが、本件賃貸借の存続期間について当事者間に合意の存在した事実および所

論主張の時期頃訴外Dから更新拒絶の申入れをした事実は、いずれも原審の認定し

ないところであるのみならず、却つて原審は、挙示の証拠に基づいて、本件賃貸借

につき期間の定めがなかつたことおよび借地法附則一七条一項の適用によれば、右

賃貸借の終期が昭和三〇年八月頃であつたが、その頃訴外Dから本件土地の使用を

継続する被上告人に対して遅滞なく異議の申入れをなした事実が認められないと判

示しているのであり、右認定判断は首肯するに足りるから、所論は理由がない。そ

の他所論は、独自の見解に立つて原審の事実認定を非難するに過ぎないから、採用

できない。

同第二点および同第三点について。

所論は、原判決には民訴法三九四条に該当する法令違反があり、ひいては憲法違

反があるというが、原判決がどの法令のどの条項に違反するかおよびその違反する

- 1 -

理由を明らかにしていないし、また違憲の主張も単に原判決により上告人の財産権

が侵害されるというに過ぎないものであつて、なんら違憲の理由を明らかにしてい

ないから、上告適法の理由となるものではない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

おり判決する。

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 奥 野 健 一

裁判官 山 田 作 之 助

裁判官 草 鹿 浅 之 介

裁判官 城 戸 芳 彦

裁判官 石 田 和 外

- 2 -

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!